CD佐藤です。
2015年のクライマックスを飾る超大作を2本見てきました。
ダニエル・クレイグ版007の1作目 「カジノロワイヤル」 では原点に返って、イアン・フレミングの原作に、かなり忠実につくられていたのですが、2作目、3作目に引き続き、本作も完全オリジナル・ストーリー。 「スカイフォール」 からの流れで007の生い立ちが描かれていますが、原作とはちょっと違う上に、かなり脚色されています。本作で明らかになる、第1作「Dr.no」からの仇敵“スペクター”との因縁も、半世紀を超えて新たに付け加えられたエピソードなので、“そうだったのか”というよりも、“そうきたか”という感じ。
ストーリーは、そもそも007全作品を通して荒唐無稽なマンガのようなものなので、突っ込みどころ満載なのはお約束。“そんなばかな”という予定調和的危機脱出シーンも、マンガと思えばスカッと楽しめる。ところが「スカイフォール」に引き続き本作も、スーパーマンでなく、リアルな人間としての007を描くべく、やたら重厚なドラマを展開。それでいて予定調和的展開はお約束通りなので、わかっていても、“何でそうなるの?”とか、“今の死んでるよ”と、違和感を覚えてしまいます。
あと、全編通して色温度が低い。オープニングのパレードから、砂漠、雪山、ロンドン、どこもセピアでブルーグレー。スッキリとした映像がない。暗くて重い。スカッとしない。これもダニエル・クレイグ版007の特長。
あと、英語はそんなに得意ではないのですが、明らかに“そんなこといってなかっただろ”っていう字幕が随所に見られました。案の定、字幕:戸田奈津子のクレジットが。いい加減引退しましょう。
・・・と、批判ばかりが続きましたが、実際にどうだったのかというと、
かなり面白かったです。
上映時間148分とやたら長く、前半はちょっと冗長過ぎてかったるいシーンが続きますが、途中から加速。前半のユルい展開は何だったんだろうというくらい、次から次へとストーリーが切り替わり、007シリーズお決まりの、クライマックスでのボスのアジト大爆破シーンが、ワン・エピソードにしか過ぎないという贅沢さ。
さらに全編通して007フリークにはたまらないオマージュ満載。
ロジャー・ムーア007でおなじみのパレードシーン×Your Eyes Onlyを彷彿とさせるヘリ・アクションのオープニングから、スペクターの円卓会議、女王陛下の007そのまんまの雪山の診療所からのアクションシーン、ロシアより愛を込めて×私を愛したスパイの列車内での決闘、そしてラストの...
車はもちろんアストンマーチン、お酒はウォッカ・マティーニ、マオカラー姿の宿敵プロフェルド、オッド・ジョブを彷彿とさせる悪役ヒンクス etc.
他にもきっと見逃しているネタがいっぱいありそう。BDになったら、もう一度じっくりと見直さなければ。
あとは、サム・スミスが歌うオープニングから、全編通してかなり大活躍するQ役のベン・ウィショー、衣装デザインのトム・フォードまで、「アメリカンビューティー」を撮ったサム・メンデス監督ならではのゲイエッセンスが、至る所にちりばめられています。
ダニエル・クレイグ版の007、前3作を見た人は必見。すべてが伏線になっています。ので、見ていないとストーリーがサッパリわかりません。
「慰めの報酬」は106分と短めだけれど、「カジノロワイヤル」は144分、「スカイフォール」は142分、そして「スペクター」は148分と、全作見るとかなりのボリュームになります。
1月中旬までは劇場公開しているようなので、年末・年始、一気見がおすすめです。
そして、2015年のメインイベント、 「STAR WARS フォースの覚醒」。
何を書いてもネタバレしてしまうので、内容に関してはまったく触れられません。これから見ようと思っている人は、絶対にレビューを検索しないように。楽しみが激減します。
監督のJ.J.エイブラムスは、私と同世代(1歳上)。本当にSFオタク、STAR WARSオタクなんだなぁ。痒い所に手が届く演出に、ツボをつかれまくりでした。
それにしても、彼が製作総指揮をとっているTVドラマは、「LOST」以降、「ALCATRAZ」「ALMOST HUMAN」と打ち切り連発。「FRINGE」「PERSON of INTEREST」「REVOLUTION」も後半だれ気味。今CSで放送中の「BELIEVE」も、やっと面白くなってきたのに打ち切り決定。STAR WARSとSTAR TREK(2016年には3作目のSTAR TREK BEYONDが公開決定!)がで力つきたか。
というわけで、「STAR WARS フォースの覚醒」も、前作を見た人は必見です。
ちなみに、「STAR WARS フォースの覚醒」には、ジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)がカメオ出演しています。
ストームトルーパー役なので、顔出ししてないんですけれど...。
今年は、007、STAR WARSを超える、エンターテインメントな広告を発信していきたいと思っております。
引き続きご愛顧のほどを、よろしくお願い申し上げます。