デザイナーKです。
前回のブログにもちょろっと書きましたが我が家にはポメラニアン『はな丸』がいます。
家に来た頃はたったの1.2kgで、体も尻尾も貧毛で本当に犬なのか?ネズミの一種じゃないのか?と思う程ほんとうに小さくて、
毎日毎日『大丈夫かな?』『急病や怪我をしていないかな』とハラハラ心配しながら仕事をしていました。
最近は何度教えても叱っても靴下大好きなやんちゃ坊主になってきて
(甘やかしているせいで困った行動は他にも色々あるのですが)
とりあえずは元気に育っています。
『はな丸』はペットショップから家に来ました。
飼うにあたり、保護犬も検討したのですが、
譲渡の条件と当時の家の状況が合わないことが多く、
ペットショップからの購入となりました。
いくつかの店に足を運び、ワンコ達が生き生きしていてブリーディングや
飼育などの考え方がしっかりした店を探しました。
それから半年ほどの間に何度か同店に顔を出し、
最終的に気に入った子がはな丸でした。
しかし正直なところペットショップの裏側に横たわる問題からは目を逸らして飼い始めたのは事実。
見て回った店の半分くらいは正直見ていられない状況で『展示』されていましたし、
近年ブリーダー崩壊やペットショップからの遺棄などの問題もいくつか報道されました。
その問題は(飼い主側の問題も多いのですが)殺処分されるペットの数となって表れています。
http://animals-peace.net/law/h25dogs_cats_statistics.html
環境省の資料では平成25年度で17万6,086匹。
昭和49年からの資料を見ると平成初期までなんと100万匹を超えているので年々減ってはいるのですが、
ここ数年では横ばい。
猫だけ見ると増減はありますが、長期的に見るとあまり減っていません。
決して少ないとは言えない数字です。
そんなペットを救おうと活動しているボランティア団体などを取材し、ドキュメンタリードラマに仕立てた映画がこのほど上映されました。
ドラマ仕立てですが中身は本当のドキュメンタリーとなっていて、
内容は割愛しますが映画の作り自体が入れ子になったような不思議で新しい感覚です。
この映画に限らず日本ではペットを最後まで飼いましょうと、
終生飼育が推奨されているような論調ですが(もちろんそれには同意ですが)、
実際問題うちの『はな丸』も私たちに何かあったらどうなってしまうやら…。
ペット先進国の代表といわれるドイツでは少し考えかたが違います。
犬猫は言うに及ばず、羊や馬などの家畜、鳥や爬虫類など様々な生き物の保護から新しい飼い主への譲渡、
貰い手がなければ終生面倒を見るという民間の「ティアハイム」という施設があり、
費用は募金で成り立っているそうです。
他の多くの先進国同様ペットショップ自体がなく、
動物を飼おうと思ったらまずティアハイムに行くのが通例になっているようで、
施設も清潔で世話も行きとどいており、譲渡の際にもケージの置けるスペースや
日当たりなど環境が保てるかなどの厳しい審査があるそうです。
アレルギーや転居などで飼えなくなってしまった飼い主から、
次のふさわしい飼い主に譲渡するという流れが自然に出来上がっており、譲渡率は90%以上。
ペットは人間社会の中でしか存在し得ない生き物である以上、
ドイツはドイツでいろいろと問題はあるようですが、
少なくとも日本の【『所有者』がいないなら処分】という考えかたとは違い、
ペットと個人とを切り離して考え、人間社会全体でペットの生涯に責任を持つということを実践しているようです。
http://www.jiji.com/jc/v4?id=2013tierheim_berlin0001
http://www.tierschutz-berlin.de/tierheim.html
日本に目を戻せば、ここ数年で殺処分ゼロを達成した自治体もあり、非常に喜ばしいことです。
どちらにせよ、我が家の『はな丸』も私が名付けた以上は
いつか『コイツに飼われて良かったワン』と思ってもらえたらいいな、と思っています。
その分こちらも癒されて活力をもらい、飼い犬満足度とともに顧客満足度も満点を目指したいと思います。