この仕事をしていて、なぜ広告主がプロに制作などを依頼しなくてはいけないのか?を考えたときに、どうしても広告主の方は「売り手としての主観」でしか判断できません。
「見る人、読む人の視点に立てない」、ということを最も強く感じます。 人はどうしても、自分の知識や経験、考え方で判断してしまいます。
ですが、客観性や相手の立場を失っては、正しく、分かりやすく伝えることはできませんよね。
大切なのは「受け手」「買い手」がどう思うか?です。
商売としては当然心得ていらっしゃることだと思いますが、広告物という特殊な?フィールドでのノウハウというものがあるのです。
よく「橋渡しをする」という言い方をしますが、「売り手」と「買い手」の橋渡しをするのが広告業ですが、広告主の方にもそのことへの「理解」が求められます。そのノウハウ~考え方を解説していきたいと思います。
一瞬でメリットが伝わらない広告物は即ゴミ箱
広告を作っていると情報をあれもこれも入れたくなりますよね。でも入れられる情報量は限りがありますから、情報を取捨選択しなければ広告物は仕上がりません。
いろいろ入れすぎて何を言いたいのかわからない状態のことを「幕の内弁当」とか言ったりします。まあ、それはそれでおいしいとは思うんですが(笑)、何が特長か、ウリなのか、わからないってことですね。
そこを踏まえてメッセージをはっきりさせたとしても、受け手がどうしたらいいのかわからない、何がいいのかわからない広告物って結構あるんです。
”肝心のお店の場所がわからないもの””ユーザーメリットがわからないもの””何が行われるかわかりにくいイベント告知””何が当たるのか・どう応募すればよいのか分からないキャンペーン告知”など。
これでは、たとえ注目されたところで、リターン・成約は取れませんよね。 どうしてこういうものが出来てしまうのでしょう?
良い広告を作るためのルール
それは、人には自分が知っていることは省いてしまう習性があるからです。
作成している会社側の人は、自分たちの会社の商品に関わるさまざまな知識のことがあたりまえになっているため、会社外の人が何を知っていて、何を知らないのか、がわからなくなっているのです。その結果、反応のない広告が世に出回ってしまうというわけです。
これを防ぐ方法が2つあります。ひとつは“基準を作っておく”こと。最低限入れなければいけない必要な情報を決めておき、それをチェックする方法です。
一般的には”いつ・どこで・だれが・なにを・どのように・なぜ”の5W1Hと、”どちらが・いくらで・いつまでに”を加えた6W3Hと言われたりしますが、もっと分かりやすく言えば「誰に、何をしてほしいのか(すると、どんなメリットがあるのか)」をしっかり伝えることかと思います。
これに関しては総合広告代理店などでよく使われる「クリエイティブブリーフ」というものがあります。最終的にこちらを簡単にでも作成していけるようにしたいと思います。
もう一つは、外部の人にチェックしてもらう方法です。外部の人とは、プロもしくは誰か仮想のお客様。たとえば家族でもいいです。あなたの会社や商品のことをよく知らないので、情報の抜けやミスマッチに気が付きやすいはずです。
お客様にチェックしてもらっても良いのですが、内部のことを熟知していたり、気を遣って否定的なことを言わなかったりするので、チェックをお願いする役目にはあまりおすすめはできません。
なにかにつけ意見を言わないと気のすまない一言居士(いちげんこじ)に任せるという方法もありますが、こういう方は批評ばかりで建設的な意見が少ないです。よくない点が分かっても、じゃあどうすればいいのか?という解決策が見えません。
ですから、一番良い外部の人間というのは、私たちのようなマーケティングがわかっている人間か、または、これからお客様になりそうな外部の人ということになります。
顧客目線が一番
東京ディズニーリゾート(「Wikipedia」より/Mekarabeam)
東京都内のスターバックス店舗(「Wikipedia」より/Kure)
商売で一番大切なのは顧客目線です。多くのスキルやノウハウが出回っていますが、何より大切なのはあなたの会社にお金を払ってくれるお客様。どんな広告を作るときでも、お客様側にはどう見えるのか、どんな情報があったら良いかなどの顧客目線が常に大切です。
成長発展している会社は、外部の力をうまく使ってビジネスを成功させています。ある企業は、外部の会社にお金を払ってでも自社へのクレームを集めているそうです。そこから自社の課題と改善点が見えるからです。
あなたも顧客目線をしっかり掴んで、ビジネスを成功させてください。そのためには、基準づくりと外部のチェックをぜひ実行してみてください。