では、発注後のこと。
初回制作物確認 → 案決定・初回修正依頼~校了 → 印刷 → (色校正) → 納品
まで、ポイントを確認していきましょう。
発注してから初校まで
発注してから、初回の制作物の提案(初校といいます)までですが、あなたが「いいものを出してもらいたい」と考えるのであれば、単純な作業時間に加えて、企画のための時間を与えなくてはいけません。
ページ数やボリュームにもよりますが、例えば1枚もののリーフレットを数案考えてもらうとしたら、作業だけで1週間。といっても実働は5日なので、しっかり考えてほしいということであれば、プラスあと数日はほしい所です。それぐらい見ておくと、しっかりと練られたものが出てくると思っていいでしょう。
さて提出日。初回ラフをどうチェックするか?です。写真やキャッチフレーズなど、見栄えのする部分に目を取られると思いますし、もちろんそれも大切なのですが、いちばん重要なのは「自分たちがどういったものを必要としているのか?」というブレない軸を持ち、チェックする事です。
優秀な広告会社・制作会社なら、そのあたりしっかり考えてきているとは思いますが。その「自分たちがどういったものを必要としているのか?」は、苦労して書いたオリエンシートのなかにあります。それはスタートであり、ゴールです。それぐらい大切なものを作っていたのです。
大手の広告代理店では、個々に微妙な内容の違いはあれど、ご紹介したオリエンシートを発展させたものを「クリエイティブ・ブリーフ」と名づけて、制作の指針とチェックシートとして使っています。
案決定・初回修正依頼~校了まで
案決定したら、細かい部分の修正点等もまとめておきます。その後、決定した広告会社・制作会社に発注する旨と修正事項や今後のスケジュールを伝えてください。その時に、発注するに至った理由と修正内容を、オリエンシートに沿って、論理立てて説明してもらえると、制作する側も理解しやすいと思います。
また具体的な修正がある場合には、提出された表現案に直接書き込んでください。別紙にすると、照らし合わせる手間が発生しますし、その分時間もかかりミスも多くなりますので、避けるのが賢明です。アナログに感じるかもしれませんが、直接書き込むのが最も間違いのない方法です。
あとは校正時に同様の作業を行っていくことになります。社内のコンセンサスをしっかりとってもらえばOK。広告会社・制作会社は広告のプロといっても、それは表現と制作の作業に関してのことで、掲載内容は当然、クライアント企業の中で吟味し、決定してもらう必要があります。その内容自体は、基本的には依頼する時点で決定していてほしいです。それによって表現も変える必要も出てきますので。表現や掲載内容もOKが出たら、校了ということで印刷などにかける指示を出して下さい。
これまで見て頂くと分かる通り、企業の広告の担当者とは、優れたプランナー(企画者)であり、社内とも、社外(広告会社)でも、スポークスマンであり、ネゴシエーターである必要があります。相手の意志や考えを尊重しながら、意思統一を図り、必要な交渉を行っていってください。沢山のwin-winを重ねていってください。
ある程度以上のコミュニケーション能力が必要とされる仕事で、ある時期には「アドマン」などと呼ばれ時代の寵児であったり、企業の中で花形の部署であったりする職域です。スキルを磨き、プライドを持って、ぜひ、よい広告づくりを行って会社に貢献して下さい。