広告制作の源流:僕のクリエイティブシンキングⅢ

車の広告は男性に向けたもの。って、誰が決めたの?

車といえば、家の次に大きな買物です。その意志決定は家計にかかわりますし、奥様に主導権があるお宅も多いと思います。実は何年も前にNISSANのセフィーロという車のキャンペーンで、奥様をメインにファミリーをターゲットにした広告がヒットし、話題になったこともあります。

細々した性能・Specはコアな人たちには効果的ですが、その車全体として、どのような目的で、どのようなフィーリングに合うように創られているのか、所有することでどんな得られる価値=情緒的価値といいますが、が得られるのかが大切な商品であります。

その意味で、あまりメーカーに取って嬉しくないブランドイメージがついている車が、その昔2ブランドありました。

ベンツと、ボルボです。

 

レッテルをはがす。張り替える。

その昔、30年ぐらい前ですかね、ベンツはいわいる「反社会的な人」たちの車というイメージが強かったですし、ボルボは「歯医者さん」の車、というイメージでした。どちらもこれでは拡販を見込めません。

ベンツは、呼称をメルセデスと替えて、1991年から「メルセデスの嘘(うそ)」というキャンペーンを打ちました。「豪華な車が、高級車ですか?」「メルセデスは高すぎますか?」「ジーンズやスニーカーは似合わないクルマでしょうか?」などと、広告の中で訴えていきました。同時に商品ラインナップも一新し、その第一弾としてSクラスが投入されました。

これがその後のものですが、大きなイメージを変える施策を行った後に、正しいブランドアイデンティティを打ち出していきました。

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でもこれは、わりと普通の王道のキャンペーンですね。

ボルボはもっと大胆に、低予算 – たった3回の広告掲出でイメージを転換しました。

それが、これです。

 

欠点を認める。そこからはじめよう。

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日本で独自制作した企業広告の第一弾は、1990年に掲載した「私たちの製品は、公害と、騒音と、廃棄物を生みだしています」というコピーだけの新聞広告です。まさに衝撃的なコピーですが、マス広告という形で世に出たのは日本だけ。ボルボの環境対策を説明した英語版パンフレットには、すでに使われていたコピーでした。

第二弾は1995年の植物の葉に車の形をした虫食いが描いてある新聞広告。これにも「車が環境を破壊している」という強烈なコピーがありました。

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しかし、さらにぶっ飛んでいるのが、次の1ビジュアルのみの広告。なんとカンヌのグランプリを獲りました。

ボルボ・カーズ・ジャパンの宣伝販促・教育部部長の宮川晶晴さん(当時)によると「安全を訴えている広告だと気がついてもらえるかどうか心配でしたが、しかし、広告の裏を読めるような人たちだけに理解されて注目を浴びれば企業広告の役割は果たしている、との判断で実施したんです」とのことです。

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「環境や安全」というイメージが定着しているボルボですが、日本で実際に出稿した企業広告は以上の3つのみ。いずれも新聞を中心に展開された広告で、「環境や安全は新聞でないと細かく説明できないため、新聞を主体に考えている」(宮川さん)。ボルボの企業哲学は、安全性、品質、環境に関する配慮という三つだとのことです。

画像出典:読売ADリポート ojo[オッホ] 1998.7月号

 

問題を見つめることが大切。解決に向かうために。

これら成功したキャンペーンも、やっていることは、問題提起~課題抽出~ソリューションの課程であり、そこに既存の固定概念は全く要らない。いやむしろ打破していくものとして存在しています。

しかし、それって実は大変で、自分の性格を超えて、俯瞰する自我を持つことなのです。

趣味趣向を認めつつ、それが全てではないことを認めていく作業。これが実は苦痛を伴います。自分の限界を超えていくことでもあり、最高の自己啓発でもあります。

あまりそこに突っ込むと他の講座になるので(笑)今回は、そのためのちょっとためになる本をご紹介しておきます。

限界の正体 自分の見えない檻から抜け出す法(為末 大 著)

人生を変える言葉(堀江貴文 著)

為末さんも、堀江さんの本も、右も左も無く、まっすぐ現実を直視しながら、とても身近でわかりやすい話題になっているので、とても面白いと思っています。ご参考までに。

 

終わりに

広告づくりの源流 ─ 私は、「人の話を聞く力・他者を認める力」「雑学力」「ニュートラルな見識」「謙虚な探究心・向上心」「工夫するマインド・着眼点」「平常心・素直な心」などだと思います。

禅みたいですね。笑。ほんと、たまに座禅に行くいいと思います。

参考文献:ペンブックス10 広告のデザイン

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