よく愛読書のアンケートで、
「あなたが無人島にもっていく3冊は?」みたいな設問を見たりしませんか?
営業部の鈴木です。
いつも疑問に思うのは…「その場合の3冊」の数え方とは??
例えば、「上中下巻」三分冊の作品はどうなるのでしょう。
厳密にいえば、1冊なのだから3分冊のうちのどれかになるのでしょう。
でも、それはないと思いません?
一応私の中では、無人島にまでもって行きたいほどの愛読書、座右の書と言う意味で解釈していますので、1タイトル1冊換算で考えています。
しかしながら、マルセル・プルースト「失われた時を求めて」全14巻とか中里介山「大菩薩峠」全41巻はどうしましょう。
ましてや、ハヤカワ文庫「ペリーローダン・シリーズ」689巻(2023年5月現在。まだ継続中)は?
まあ、これは無しですねいくら何でも。
そこは常識で判断しましょう。
では、そういったことを含めて私の3冊はというと…
1:山田風太郎「人間臨終図鑑」
最年少15歳の「八百屋お七」から121歳「泉重千代」さんまで、古今東西の芸術家、文学者、哲学者、俳優、音楽家、政治家など有名人の死に際を集めた「図鑑」です。
一人一人はそれほど長くはないのですが、それでも伝記を読んでいるような読み応えがあり、好きなところから読んでもOKなところもうれしい。
個人的には、何回読んでも武者小路実篤のところで「すげー」となります。
2:武田百合子「富士日記」
武田泰淳・百合子夫妻が夏の間だけ、富士山麓の別荘に行ったときのみ綴った日記。
最初は武田泰淳が書いていましたが、割と早いタイミングで百合子さんが代わりに書き始めます。
日記なので、簡潔に日々のことが生き生きと描かれています。
私はこの本を読んで、良い文章とはこう言うことかと得心が行きました。
お父ちゃんこと泰淳氏と百合子さんと娘さんの花さんが主な登場人物。
因みに武田花さんは後に「木村伊兵衛賞」を受賞する写真家です。
お隣の大岡夫妻もよく登場します。
このお隣の大岡さんは、大岡昇平です。
私の中で大岡昇平は、「野火」や「レイテ戦記」の作家ではなく、富士日記に出てくるお隣の大岡さんでイメージが出来ています。(あと成城日記)
これもどこからでも読めて飽きない。
誰かと一緒にいるような感じになるでしょう。
3:広辞苑
厚い。ページ数が多い。枕にもなるし、いざとなったら焚き付けにも使える。
以上、何回目かの人間臨終図鑑を電子書籍で読んでいて考えたことです。
でも一番は、電源タップがありWi-Fiが飛んでることだったりして。
皆さんの3冊はいかがでしょうか?